story

街外れにある酒場を拠点とする冒険者ギルド『天駆ける雄羊』。
ギルドマスター兼酒場の主人であるニールとその娘ルージットが切り盛りする
このギルドは今、存亡の危機に瀕していた。

山の麓に位置する辺境の街・ダントル
かつてドワーフたちの大規模な鉱山があった場所だが、彼らが姿を消した現在
そこは一攫千金を夢見る冒険者たちが集う地下迷宮として活気づいていた。
『天駆ける雄羊』も、そんな野心溢れる冒険者たちを束ねたギルドのひとつだったが、
有能な冒険者の脱退や、強力なライバルギルド『黒曜の虎』の台頭もあり
ここ最近は赤字経営が続いていた。
そしてついに先月、低迷する『天翔ける雄羊』の元に営業認可取り消しの通知が届く。
ダントルの街では、正式な認可を得たギルドしか営業を許されておらず
このままでは『天翔ける雄羊』は潰れてしまう。
再営業の認可を得るには、数ヶ月以内にギルドとしての実績を示さなければならない。

ギルド存続の危機に瀕する中、稼ぎ頭である腕利きの戦士エドガーは迷宮を探索中
謎の魔物に力を奪われ、冒険に出ることの出来ない身体になってしまう。
僅かに残っていた冒険者たちも、この事件をきっかけに次々と立ち去り
『天駆ける雄羊』に所属する冒険者はエドガー1人を残すのみとなってしまった。
そんな折、ルージットはエドガーに、このギルドのマスターに欲しいと持ち掛ける。
現マスターの父、ニールが高齢である事も理由のひとつであったが、
腕利きの戦士として有名なエドガーがマスターになれば、若い冒険者が
酒場に集まってくるのではないかとルージットは考えたのだ。
冒険者としての人生に未練のあるエドガーだったが、今の自分の身体と
愛着のあるギルドへの恩返しという事をあわせて考えた結果、
『天翔ける雄羊』の新たなるマスターになる事を受け入れる。

こうして、元冒険者エドガーのギルドマスターとしての日々が始まるのだった。
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